読書などのように眼を持続的に使うと、眼の疲労感、眼の重圧感だけでなく、全身にも疲労、頭痛、肩こり、吐き気などが起こることがありますが、これを一般的に眼精疲労といいます。
眼精疲労の原因は、実にさまざまなものが考えられています。
原因を特定することが難しい場合が多く、原因と考えられるものを一つひとつ除外して追及していきます。
眼精疲労の原因は、大きく4つに分けて考えられています。
遠視、近視、乱視などの屈折異常が原因で起こる眼精疲労が最も多いようです。
いずれも、物が適正に見えないために、それを無理に調節して見ようとして、眼を無理に働かせるために眼精疲労が発生します。
そのほか、斜視、不等像視によるものや、結膜炎や角膜縁、ドライアイ、緑内障などの眼の病気も原因となります。
全身疾患によっても眼精疲労が起こります。
高血圧、低血圧、糖尿病、バセドウ病、貧血、自律神経失調症、月経異常など、さまざまな病気で眼精疲労が発生します。
職場での不適合、心身症、神経症なども眼精疲労の一因となります。
コンピューターの普及や、携帯電話、テレビ、ゲームなどの普及により、昔よりも近方視をする時間が増えています。これらの作業を長時間続けていると眼の調節を行う毛様体という部位の過緊張が生じます。中でも、最近注目されているのがVDT作業による眼精疲労で、VDT症候群と呼ばれています。
また、機械的刺激によるものとしてクーラーの風やごみなどがあります。
化学的刺激としては、ガスや有機溶剤によるものがあり、最近は新築の家などで起こるシックハウス症候群が注目されています。
最初は眼が重い感じがしますが、眼が痛くなり、じんじんし、かすんできたり、まぶしくなったり、眼が赤くなったり、涙が出たりします。全身的には頭痛、肩こり、吐き気などが起こります。
視力、視野、眼圧、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査などの眼科の一般検査で前記した原因を除外していきますが、調節検査が最も重要です。
眼に原因がないと考えられる時は、全身検査を含めて前記した原因を精密検査します。
眼精疲労の的確な治療はその原因によってまったく異なるので、原因追及が最も重要です。
眼精疲労の原因が前記の精神的なもの、環境的なものと予想がついた時は、自分でそれをまず除外してください。
そうでない時は、まず眼科医、その後に内科医の診察を受けるようにしましょう。