一般に眼科外来を受診して、診断される病気の90%以上は眼球内の病気(角膜炎、白内障、緑内障、眼底出血、ぶどう膜炎、網膜はく離など)です。
神経眼科が担当するのは、残りの眼球外、つまり眼窩(眼球の後のくぼみ)の中と頭の中の眼に関係した神経や筋肉が異常を起こす病気の全部です。
神経眼科の病気の原因としては腫瘍、動脈瘤、脳梗塞、脳出血、ウイルスや細菌の感染症、膠原病、甲状腺疾患、悪性リンパ腫など生命に関わるような重大な病気が基になっていることが多いので、油断できません。
主な症状としては視力低下、視野異常(視野の一部が欠けて見えない)、色覚異常(色の判別が難しい)、複視(ものがズレて二つに見える)、瞳孔異常(ひとみの大きさが左右でちがう)、眼瞼下垂(まぶたが下がる)、眼球突出(眼が出ている)、などです。
病気により、症状が一つ、またはいくつかの症状が組み合わさって出ます。
これらの症状に気づいたら、危険な病気が隠れている場合もありますので、できるだけ早くに眼科を受診して下さい。
視力、中心フリッカー値、視野、色覚、眼球運動、眼底、眼球突出度の検査を行って、病気の特徴を明らかにします。
神経眼科の病気の診断や治療は難しいので、検査前や治療前には充分に説明し理解していただいた上で、患者さんと医師と協力して治療にあたるよう心がけています。
視神経炎、同名半盲、両耳側半盲、眼筋麻痺、眼瞼下垂、眼瞼けいれん、眼球突出などがあります。